Pick Up Hospital

さまざまなナースによる看護のカタチを徹底レポート Pick Up Hospital

NST・緩和ケアチーム・褥瘡委員会・訪問看護etc…さまざまなナースによるさまざまな看護のカタチを徹底レポート!
※掲載されているデータは取材当時のものです

Pick Up Hospital 22 [ 2014.5 ]

気の利く看護師に育てたい。
そのための第一歩は確実に成長できる教育制度から始まる。

通常、看護師の教育は3年で一人前に育てる。しかし、多様化するニーズ、複雑な疾患に対応するための知識が3年という期間で本当に充分か?との疑問から生まれたのが「ICNES(イクネス:Itabashi Clinical Nursing Education System)」だ。
ICNES(イクネス)は5年間のカリキュラムにおいて、疾患に対する知識、看護スキルについて習得し一人前になっていくという教育制度。その内容を含め、板橋中央総合病院の看護部のあり方、求められる看護師像、研修によってどのような看護師になってほしいか、などについて、竹内由美看護部長にお話を伺った。

板橋中央総合病院 外観
IMSグループ 板橋中央総合病院
板橋中央総合病院 外観

▲病院外観

〒174-0051 東京都板橋区小豆沢2-12-7
TEL(03)3967-1181(代)
URL:http://www.ims-itabashi.jp/kango/

■開設/昭和31年3月1日
■院長/新見 能成
■看護部長/竹内 由美
■病床数/579床
■職員数/1,300名
■外来患者/1,300名(1日平均)
■入院患者/430名(1日平均)
■看護基準/一般入院基本料7:1
■診療科目/内科・呼吸器内科・消化器内科・循環器内科・血液内科・腎臓内科・神経内科・外科・呼吸器外科・心臓血管外科・整形外科・脳神経外科・形成外科・美容外科・精神科・リウマチ科・小児科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・放射線診断科・放射線治療科・病理診断科・麻酔科
■特殊外来/糖尿病外来、高脂血症外来、血液内科外来、腎臓内科外来、リウマチ・膠原病外来、ペースメーカー外来、甲状腺外来、不整脈外来、下肢静脈外来、乳腺外科外来、ソケイヘルニア外来、骨粗鬆症外来、膝・股関節外来、男性不妊症外来、腎移植外来、肝臓専門外来、膵臓専門外来、小児腎臓外来、小児循環器外来、四次元超音波外来、不妊外来、習慣流産・不育症外来、婦人科腫瘍外来、難聴外来、集束超音波外来、脊椎外来、発達・神経疾患外来、アンチエイジング(若返り)・美容外来、胆石科外来、腎不全外科外来
■敷地面積/10,593.5㎡
■建築面積/5,146.99㎡
■延床面積/23,004.42㎡
■交通案内/都営地下鉄三田線「志村坂上」駅下車1分



  • ▲ERセンター入り口

  • ▲救急看護認定看護師

  • ▲集合研修
5年間で一人前。より深い知識とスキルを磨く「イクネス」。
板橋中央総合病院が考える一人前の看護師とは?
看護部長 竹内由美
看護部長
竹内 由美
認定看護師 加藤恵美
緩和ケア認定看護師
加藤 恵美
認定看護師 伊東俊恵
救急看護認定看護師
伊東 俊恵

板橋中央総合病院の看護部として、どうありたいとお考えですか?
(Median編集部)

竹内


看護部長 竹内由美さん

看護部の理念は“人間の命と人権を尊重した看護を提供する”です。これはどういったことかと言うと、わけ隔てのない看護をする、ということです。
地域には経済的に格差があり、また高齢者が一人で住んでいるという方も少なくありません。私たちはどのような境遇の患者さんにも分け隔てなく、平等に看護をしていかなければならないのです。また、命の重さは若い人でも、老いた人でも同じこと。生まれたばかりの赤ちゃんでも、年老いた高齢者でも、命の尊さは変わりません。そういった倫理観を持って、患者さんに接することができる看護師を育てられる看護部でありたいと考えています。

そういった人材を育てるためには、どのような教育が必要でしょうか?

竹内


集合研修

人の命の重さを知り、どのような患者さんに対しても同じようにケアをすることができる看護師になるためには、倫理観とともに専門職としての知識と技術が必要です。しかし、看護師の教育制度は知識と技術を身に付ける時間が十分ではありません。もちろん、新人教育制度が確立されてはいるものの、それだけでは質の高い看護を提供するまでには至らないのではないか、と感じていました。そのため、複雑な疾患や多様化するニーズに対応しきれない看護師は、残念なことに離職へとつながってしまう可能性もあります。
そこで当院では、IMSグループで行われるアイナースプログラムと並行し、独自の院内教育制度として、『ICNES(イクネス:Itabashi Clinical Nursing Education System)』を立ち上げました。

ICNES(イクネス)とはどのような教育制度ですか?

竹内


IMS認定看護師バッジ

医師の研修医制度をヒントに5年で一人前の看護師に育てることを目的とした臨床看護師研修制度です。
医師と同等に意見を言い合い、複雑な疾患に対応できる質の高い看護師になるには、疾患に対する知識とそれに伴う看護実践能力が必要です。そのスキルを身に付けるには、しっかりしたプログラムにのっとった研修が5年程度は必要なのではないか、と考えたのです。
ICNES(イクネス)では、前期を3年、後期を2年としたカリキュラムを作成。それに沿った研修を行い、5年の研修の後、もっと専門性を高めて認定看護師や専門看護師を目指すか、管理者になるか、または教育者になるか…。それともあらゆる疾患に対応できるジェネラリストになるかといった目標が自分の中で生まれ、目指す方向を考えられるようになってくれればいいと思っています。

具体的にはどのような教育内容ですか?

竹内
アイナースプログラムにおいては、同期の絆を深めながら看護師として必要な知識や技術を3年で習得していきます。それを踏まえ、イクネスでは配属先の病棟において必要なスキルを学び、知識をより深められる教育プログラムを実施します。
1年目の4月は当院における看護技術において共通理解をする、学生から社会人への変化を遂げる時間とし、5月にはローテーション研修を組み込みます。自分の希望する4つの診療科を選択し、1週間毎にローテーション。実際に体験してみて、ミスマッチのないように自分で決定するための研修です。6月からは配属先でプリセプターと共に看護の実践に取り組みます。
病棟ではプリセプター制度だけでなく、ぺアナースも指導者としてついてくれます。1年目は見守られながら、看護を覚えていく期間。この期間中は疾患の知識を深め、疾患を踏まえた看護ができるようになるために、5つの症例を極める指導をします。症例を通して、その疾患に合わせたケアができるようになることが目的です。1年目の研修の最後には、1つの症例を取り上げ、成果を発表し評価をする機会を設けます。

質の高い看護のために実践していることは?

竹内


認定看護師による指導風景

固定チームナーシングによる看護、急性期の基幹病院としての救急に対応できる看護教育、さらに認定看護師の育成に力を入れています。当院には認定看護師が活躍できるフィールドがあり、研修支援もしています。研修で勉強してきた認定看護師が多数活躍し、スタッフの質のレベルをアップさせています。
ICNES(イクネス)においても、2年目からはプリセプターの手を離れ、自分で学んでいきます。3年目には今度は自分がプリセプターとして教育の勉強を、4~5年目は専門性を高め、より深い知識を身に付けていくことを目標としています。
質の高い看護を実践するための制度や環境を整えていくのが私たちの仕事です。私が願うのはそういった制度や環境を生かし、“気の利いた看護師”になってくれること。深い知識と確かな技術があり、優しさも思いやりも持ち合わせた看護師って素敵じゃありませんか。当院には専門性を身に付け、看護の質を上げてくれる頼もしい看護師がたくさんいます。今回は認定看護師の二人を紹介しましょう。

緩和ケア認定看護師
加藤 恵美

現在の仕事内容とそのやりがいを教えてください

加藤


加藤恵美さん

疼痛緩和ケアチームのメンバーとして、ラウンド、主治医や受け持ち看護師との検討、認定看護師としてのコンサルト、院内やグループ病院での講義活動などを行っています。
一人ひとりの患者さんにアセスメントし、疼痛コントロールを図り生活の場に戻れたときにはやりがいを感じますね。主治医や受け持ち看護師が、患者さんにとって何が優先か、生活の中で重要なことは何かといった、患者さん自身の生活の視点に目を向けて計画し、実践できたときは本当にうれしいものです。

認定看護師になる前と変わった点は?

加藤
研修に参加して最初の頃は、「今までの自分の看護は何だったのだろう?」と思わずにはいられないくらい衝撃を受けました。知らず知らずのうちに、患者さんのためと思って実践してきたことが、自分主体の看護になっていたことに気づかされました。
研修を終え、認定看護師として活動している現在、緩和ケアの素晴らしさを強く感じ、後輩には緩和ケアを通して看護というものを伝えていけたらいいと思っています。また、自分の考える看護や思いをきちんと言葉にして相手に伝えることの大切さを実感しています。

認定看護師の活動において大切にしていることは?

加藤
認定看護師はスタッフの見本とならなければなりません。そのためには、現場においてできるだけ実践を見せる機会を作るようにしています。病棟などから相談を受けることも増えてきてはいますが、まだまだです。認定看護師の役割を浸透させるためにも、病棟を横断しこちらから声かけを行うようにしています。
それぞれの現場には特徴がありますから、それを把握し、どのようなコンサルテーションをしていけばいいのかを考えるようにしています。そういった姿勢を見せることで、スタッフから「自分も認定看護師になりたい」と思ってもらえるようなモデルケースになれるよう、努力していきたいですね。

救急看護認定看護師
伊東 俊恵

現在の仕事内容とそのやりがいを教えてください

伊東


伊東俊恵さん

院内の災害対応の見直し、急変時対応の構築、さらにRSTや院内トリアージシステムの改定、救急委員会の活動などにあたっています。
他職種との連携を取ることも多く、チームとして医療に携わり、役割を果たすことができたときの達成感にやりがいを感じます。
突然日常とは違った場面に直面する患者さんや家族に対し、どのように寄り添うことができるのか、それを常に考えています。そのためには知識や技術は不可欠なもの。認定看護師としてスタッフの役立つ知識、技術を提供し、レベルアップを図る取り組みをしています。

認定看護師の研修において改めて学んだこと、得たものは?

伊東


チームカンファレンスにも参加

自分の考えている看護が患者さんのためになっているのか、それは思い上がりではなかったか、といったことを振りかえる機会を得られました。精神的につらいときもありましたが、そこで仲間と出会い助け合えたことはとても貴重な経験になりました。同じ目標に向かって学んでいる仲間がいると思うと心強く、支えになりました。今でも相談をしたり、情報交換をしたりしています。
看護において思い通りにいかないことや愚痴を言いたくなることもありますが、それはすべて自分で選んだことの結果なのだ、ということも学ぶことができた研修は、自分にとってとても有意義な時間になりました。

認定看護師の活動において大切にしていることは?

伊東
思いだけでは変化を得ることはできません。それを言語化するということの重要性を感じています。論理的思考とそれを言葉で表すことを大切にしています。
院外の研修や学会などで得たものを自ら実践し、救急対応のレベルを上げていくこと、よりよい救急体制を整えていけるよう積極的に行動し、楽しさややりがいを伝えていきたいと思っています。

「どんな看護師になってほしいですか?」の問いに、竹内看護部長は、「気の利いた看護師」のほか、「一生懸命な看護師」と答えてくれた。
一生懸命仕事をすることは当然のことである。しかし、仕事に慣れてくる、効率的に業務を行うことを知る、楽な方法を見つける、など成長する中でいつの間にか一生懸命ということを忘れてしまっていることも多い。効率的な仕事や“適当”ということも必要なことではあるが、それとともに思いやりや優しさ、相手の立場に立つということも合理化されていないだろうか?
今回話を伺った「ICNES(イクネス)」について、看護部ではさまざまなことを想定し、背景を考慮し、どうすれば研修において知識が身に付くか等について熟考を重ねている。新人看護師の立場に立って、指導者の立場に立って、あらゆる面においてスタッフが勉強しやすい環境を提供しようとしている。それこそ、一生懸命に。 教育環境を整えることは管理者としての仕事である。一生懸命行うことも当然なのかもしれない。しかし、そうして生まれた環境を利用できるスタッフは、やはり幸せ者だと感じずにはいられない。
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vol.26 【神奈川県】中央林間病院(地域包括ケア病棟・退院調整看護師)

vol.25 【埼玉県】行田総合病院(ゆとりある新人教育)

vol.24 【埼玉県】埼玉セントラル病院(医療型療養病棟)

vol.23 【茨城県】日立総合病院(救命救急センター)

vol.22 【東京都】板橋中央総合病院(教育制度・認定看護師)

vol.21 【千葉県】袖ヶ浦さつき台病院(全職種合同研修)

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vol.18 【東京都】板橋中央総合病院(新人教育)

vol.17 【大阪府】ペガサス 馬場記念病院(福利厚生)

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